ダマリ紀行

[インド_バラナシ]避難勧告が出た大雨の夜に読む。輪廻する大河ガンジスについて

 

全国に広がる大雨警報。あちこちで被害が出ている。

ダマリの住む地区にも一部、避難勧告が出された。

 

大雨が降りしきる中

彼が図書館から借りてきた「ガンジス」という写真集を読んでいた。

 

ガンジス川は、ヒマラヤの氷河からはじまり

モンスーンの降雨があわさり大河ガンジス(ガンガー)となる。

 

ヒマラヤには、シヴァ神が住んでいて

シヴァの髪の毛に閉じ込められたガンガー神という女性の口から

ガンジス川の水がほとばしっていると伝えられている。

 

インドの人々は、シヴァ神から生まれたガンガーの水を聖水と崇め

この川で沐浴し、死に際して川に流してもらえれば、輪廻転生から逃れ、

来世は、天国に生まれ変われる。と、信じられている。

 

台風や津波、水害が世界中で起こる時

ダマリ自身は、「浄化」そして「淘汰」という言葉を想う。

 

災害にあって、身内や大切な人を失った方々にとっては

軽率な言葉で、怒りをかうということはわかっている。

 

が、好き勝手に生きている人間たちが地球の生態系を壊し、

それを浄化してくれるのが雨であり、大勢の命が奪われるのは自然界の淘汰なのではないかと

毎回思わされる。

 

インドのガンジス川は、モンスーンの到来により激しい降雨が寄り集まり

乾季には穏やかな流れが一変し、波打つ流れになる。

水位の上昇は10m以上におよび、沐浴のためのガートは水の中に沈むのだ。

 

 

ダマリが、バラナシへ行った時にボート漕ぎのムンさんが教えてくれた。

「雨季になると、ここまで水位があがって、全部隠れてしまう」

「毎日ガートで行われるプジャー(礼拝儀式)も、雨季には、あの高い場所で行われるんだよ」

 

乾季には大人しく静かなガンガーも、雨季には激しい濁流に変わり

どんどん広がりを見せ、ありとあらゆるものを飲み込み、押し流し、

息吹溢れる聖なるガンガーの姿を見せつける。

 

ガンガーと共に生きるインド人の姿を写真集で見る横で

スマホからの避難勧告メッセージが鳴り響く。

 

写真集の文章でこんなことが書かれていた。

 

天と地を結ぶガンジスの水は、古代インドの時代より、魂を育む羊水の役割を果たしてきたのである。

参照「Ganges」野町和嘉 新潮社

 

自分が水害にあったら、こんな悠長なことは言ってられないのだとは思うが

大雨が汚染を流し、人々のカルマを浄化し、自然の力を見せつける。

日頃からの備えをし、自然に感謝し、尊く生きる他ない。

 

ステージみたいなところがガート。雨季には、人々が歩いている場所は全て沈む。

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