インド・バラナシ。ヒンドゥー教の聖地として有名な場所。聖なる川マザーガンガーは、インドの旅では外せないものだ。そんなバラナシ・ガンジス川のガート(沐浴場)にて毎日日没あたりから行われる儀式がある。それが『プージャ』だ。
プージャは、伝統的な神への礼拝の一つ。日本の仏教で行う護摩炊きのような祈願・祈祷の源は、インドのプージャがもととなっている。プージャという聖なる儀式を行うことにより、宇宙を支配する力と調和を保つ。そうすることにより、人生の苦痛を取りのぞき、悲しみに打ち克ち、霊性の向上が可能になるそうだ。
何時から始まる。という決まりはなく「日没頃」というのがインドらしくて良い。陽が沈みかけた頃、数ある84ガートの中でも有名な「ダーシャシュワメート・ガート」にバラナシ中から人が集まり始める。
左側の傘のような電飾が点いた場所が祭壇。暗闇の先はガンジス川。プージャは、ヒンドゥー教で行われている礼拝。バラナシでは、朝も違うガートで行うらしいが陽が沈むこの時間のプージャが一番人が多く集まる。ツーリストも多い。
なにやら、キリストみたいなお兄さんがマイクを持って、お教のようなものを唱え出した。この人は、インドカースト制度で最高位に価するバラモン。バラモン教、ヒンドゥー教での司祭クラスの総称で、とっても偉い人。
SMAPか!と思わず突っ込んだほど、お祈り方法がショーさながら。
火のついたロウソクを片手に、音楽にあわせて動きまくる。信者達もその音楽にあわせて、踊ったり手をたたいたり、とても賑やかな礼拝だ。
ガンジス川から、プジャーを見ようとする信者やツーリストでボートの数もものすごいw
ガートの周りには、礼拝用のロウソク、お香、お花が売られている。
私もひとつ購入して、この日を迎えられたことにマザーガンガーへ祈りを捧げた。これを、みんな、ガンジス川へ流す。全てのロウソクが対岸に渡り付き、幻想的な風景をみることができた。ガンジス川でいう対岸は、「あの世」なのだ。
ガートの階段に座っていると、なんかサドゥみたいな人がきて人のおでこに印をつけていたため、私もお願いした。なんだか、ありがたい。
しかしながら、こんな盛大な礼拝を毎晩しているのだから驚き。市民の憩いの場になっているんだろうなぁ。1時間くらいで終わるかと思いきや、たぶん3時間くらいしていたと思う。私が行ったのは1月で乾季だったが、雨季になると、階段のところまでガンジス川の水位があがるため祭壇はビルの屋上とかに移されるらしい。
外国の祭りって、ちょっと怖いけど、この礼拝は、祭り感を味わえて、住民達と一緒にローカル時間を過ごせてとても和む。みんなで、ほっこり花火を見ている感じ。カルマを清めたい人はぜひ、インド・バラナシへ。バラナシのプジャーを見るだけでも、清められるはず。