蝉が鳴きだし、草いきれが立ち込めると
ダマリが必ずと言って思い出すのは
プレステのゲーム「ぼくのなつやすみ」だ。
東京で5年務めたデザイン会社を辞めたあと、
しばらく、ぷ〜太郎をエンジョイしていた。
その時に、朝から晩まで夢中になっていたのが「ぼくのなつやすみ」。
「ぼくのなつやすみ」は、10歳の少年が親戚の家で夏休みを過ごす。という
とってもシンプルなゲーム。
朝起きてラジオ体操、あさがおの水やり。
昆虫採集や、虫相撲、魚釣りを楽しんで、1カ月を過ごす。
1日の終わりには、絵日記を書いて終了となる。
画面から溢れる田舎の風景が、とても美しくて
蝉や蜩、様々な虫の音、川のせせらぎ、花火などなど
サウンドもとても癒される。
時々、田舎の道をずっと一人で歩いたり走ったりしていると、
遠くまで一人で冒険しに来てしまった好奇心と恐怖が入り混じって
ゲームをしている自分自身が、本当に、ゲームの「ぼく」になってしまって
ゲームだかリアルだか、分からなくなったりしていた。
都会の中の小さなアパートで、ゲームだけをひたすら楽しむ毎日。
クソ忙しいデザイン会社を辞めた後の反動は、グータラなゲーム三昧の日々だった。
でも、このゲームのおかげで、一つの夏の思い出のように、懐かしく思える。大切な思い出の一部だ。