2018
4
Jul

雑記

ばあちゃんの味噌汁

 

何年か前に、「美和の作る味噌汁は辛い。甘みが足りない!」

と、ばあちゃんにご指摘を受けた。

 

それまでの私の作る味噌汁といえば、豆腐に乾燥わかめを入れただけのもの。

そこに、刻み菜っ葉をいれるか、時々大根。

そしてネギを散らす程度だった。

 

確かに、ばあちゃんの作る味噌汁は野菜の甘さが美味いし

沢山の具材が入っていて、クタクタに煮込まれていて、なんともいえない。

 

ばあちゃんの買い物に同行すると

毎回かかせないのが豆腐厚揚げか棒天。

これを入れないと、出汁やコクが出ないという。

 

そして、甘みの野菜として玉ねぎはもちろんのこと

根菜類の、じゃがいも、カボチャ、人参、里芋、大根、たけのこ、ごぼうは必ず数種類。

自家菜園で補えなかった野菜を購入する。

 

この根菜類が煮崩れる程煮込んだ味噌汁が、美味しい。

 

そして出汁も違う。

荒節を削ったもの、そして、いりこを入れる。半生干し椎茸は自家製をドボン。

味噌もカスを取らずに、そのまま溶かし入れる。

 

ばあちゃんに、「甘み」の指摘を受けてからというもの

料理を作る際に意識するようになった。

 

鹿児島では、ヘチマを使った料理がある。

ばあちゃんはいつも、ヘチマと玉ねぎ、豚肉を味噌・三温糖・出汁で

クッタクタに煮込んだ料理を作ってくれていた。

 

私が真似て作ると、やはり「甘み」が足りず

その時は、「煮込み方が足らん!」とご指摘。

田舎料理って、とことん煮込んで野菜の旨味を出し切るんだなぁ。

 

最近、祖母の味を真似て煮物やお煮〆を作る。

ばあちゃんいわく、一番出汁がでるさつま揚げは、イワシの棒天らしい。

 

もう、2度と台所には立てないばあちゃん。

ばあちゃんの味も引き継いでいきたい。そう思う。