奄美で友人たちと民宿に泊まった深夜0時過ぎ。

旧盆の迎え日にあたる日となり、小雨降る中、語りながら浜辺を散歩していると
月明かりに照らされ、浜から天に架かる光の橋が現れた。

「虹⁈」

夜に見た虹なんて人生初。それも二重の虹。虹色は確認できないけど、白くて幻想的な虹。

「ご先祖様が帰ってきた！」

私は、映画「リメンバーミー」のマリーゴールドでできた死者の国へ繋がる橋を思い出した。あまりの美しさに、友人達としばし佇む。

月が雲に隠れると、虹は消えて行った。

後で調べると、「月虹moon bow」と呼ばれ、ハワイのマウイ島には虹にまつわる多くの伝説が残っているが、その中でも特に月虹は“幻の虹”とされ「先祖の霊が虹の橋を渡り、癒しや知恵を授けに訪れる」さらには「月虹を見た者は三世代まで幸せになる」などと長く語り継がれているようだ。

やはり、あの時、ご先祖様達は月虹の橋を渡り帰って来ていた。母を感じたのは気のせいではなかった。