今思い出しても、心が痛い思い出がある。
それが、「おにぎりロシアンルーレット」だ。
ダマリの実家は、毎年お米を作っている。
祖父母が引退した後も、父と弟が田んぼを引き継いでいる。
そのため、小さい頃からお米に困ったことはないし、買うこともなかった。
そんな環境の中でやってしまった「おにぎりロシアンルーレット」。
ダマリが小学5年で両親が離婚してからというもの
父の帰宅が20:00頃だったということもあり
ダマリ家は、弟の友達や、ダマリの友達が集う格好の遊び場となっていた。
クリスマスパーティ、お菓子パーティ、ゲームパーティ、映画パーティ。
事あるごとにパーティを開き、みんなで遊んでいた。
会費も一人200円くらいづつ集め、お菓子やジュースを買い込んだ。
中学になった時のクリスマス。
「おにぎりの中に、色々な具を入れてロシアンルーレットしようよ!」
そんなことを言い出したのは、ダマリだった。
当時のテレビ番組では、食べ物の中にワサビなどを大量に入れた
ロシアンルーレット系のゲームが流行っていて、それを真似たのだ。
ご飯を炊いて、おにぎりを作り
中に、チョコやキャンディーなどを入れていく。
作っている時は、それはそれは楽しかった。
しかし、おにぎりロシアンルーレットをした後、
チョコやキャンディまみれになった、おにぎりの残骸が
大量に残された。誰も食べない………
その残骸を見た時に、ダマリに襲いかかってきた言いようのない罪悪感。
お茶碗の米粒ひとつひとつを大事に食べてきた自分は
なんでこんなに、おにぎりを汚くしてしまったのか…………
結局、そのおにぎりの残骸は、当時飼っていた柴犬のサクラに食べさせることに。
どうしてもその残骸は、父や祖父母に見せてはいけない。バレてはいけない。
そういう思いに駆られていた。
結局、柴犬サクラもあまり食べず(サクラにも申し訳ない……)
その残飯は茶畑の下に捨てた記憶がある。
それからというもの、食べ物のロシアンルーレットが嫌いになった。
ロシアンルーレットだけではなく、食べ物全てを粗末に扱う番組は見たくない。
最初で最後の「おにぎりロシアンルーレット」
今でも忘れられない…。
この場をかりて懺悔します。